持続的な作物保護手法の開発を目指して

 
 人や動物と同じく植物も病気に罹ります。植物の病気が微生物等に因ることが知られていなかったころから、作物病害の大発生は飢饉を引き起こし、時として人類の食や文化をも変えてしまうような歴史的変革の原因となってきました。
 
 現代の農業では単一の作物を大規模に作るため、ひとたび病害が発生するとその被害はとても大きくなります。作物の病害被害は世界のどこかで様々な作物種において毎年発生しており、総収量のおよそ14%が失われていると言われています。これは実に6~40億人分もの食糧に相当します。もちろん作物の病害被害は日本における食糧生産にとっても深刻な問題であり、病害被害の克服は我々の生活に直接関係する重要な課題です。
 
 人の病気と同様に、植物の病気の場合にもまず診断によってその原因を明らかにし、それに合った治療や対処を短期的、長期的に行う必要があります。植物病理学・植物免疫学は、作物病害の診断、病原体の同定とその病原性メカニズムの解明、植物免疫機構の分子解明などを通じて植物-微生物間相互作用の包括的な理解を目指すと同時に、それらを病害防除法の開発へとつなげる実用に直結した学問です。これら全体をカバーする学問領域として植物保護学とも呼ばれます。
 
 日本では、植物病理学を修めた人材により、行政や民間が一体となってそれぞれの地域における個々の病害発生への対応、発生予察、農薬や病害防除法の開発、農薬利用法・農法・新品種の普及活動といった対策が日夜行われ、被害が最小限に食い止められています。このように植物病理学は現場で必要とされており、刻々と変化する病原体、薬剤耐性菌、地球環境変動による新病害、安心安全な農業へのニーズの高まり、といった現在進行形の諸問題の解決に向け、基礎と応用の両面での研究活動が続けられているのです。
 
 能年研究室は、文部科学省科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進事業」の支援で設立された岡山大学・異分野融合先端研究コア20091月に発足しました。ケミカルバイオロジーと呼ばれる研究手法を一つの柱として植物免疫機構の解明に取り組もうとしています。具体的には、植物が元来持っている「免疫力」を阻害したり活性化したりする生理活性物質を単離し、その標的分子や作用機作から関連する遺伝子群を同定することによって植物免疫の仕組みを明らかにしようとしています。また、植物の免疫応答を活性化する薬剤については、プラントアクティベーター(抵抗性誘導剤)(またはプラントディフェンスアクティベーター(病害抵抗性誘導剤))と呼ばれる次世代型の作物病害防除剤としての応用が期待されることから、新たな植物保護手法の開発にも取り組んでいます。
 
 20134月からは岡山大学大学院 環境生命科学研究科(岡山大学 農学部 応用植物科学コース 植物病理学研究ユニット)の一員として教育・研究を担当することになりました。大学には、農学を修め、将来農薬会社や種苗会社、また国や県の農業職や農協などで作物病害への対応を担う人材の輩出が求められています。そこで、学生が様々な技術を習得するのに適した研究テーマとして、さらにイネ紋枯病や生物的防除法の研究にも取り組みはじめました。これまでの学生による研究成果の蓄積、外国人学生の受け入れ、そして他大学や公的研究機関、また企業との共同研究によりラボの活動も大きく展開・充実しつつあります。
 
 当研究室での勉学・研究活動に興味を持たれた方は、まずはお気軽にお問い合わせください!大学への入学、大学院からの入学、社会人入学などどなたでも歓迎致します。これまでにも学内外の方々を修士課程・博士課程の入学生として受け入れてきました。独自のキーワードサーチ、Twitter、知り合いの先生からの紹介、などからこのHPに辿り着き、その内容からこのラボでの研究活動に興味をもってくれたケースがほどんどです。卒業生は、病害防除に関わる分野はもちろんのこと様々な分野に就職しています。ラボでの生活や研究活動を通じて習得した知識やスキル、特に調査能力・実験技術・科学的思考力・プレゼンテーション能力・ディスカッション力・英語力は専門分野のみならず広く社会で活躍するためのバックボーンとなっています。また、学会活動やOG/OBとのつながりで得た人脈も大いに活かされているようです。
 
岡山大学大学院環境生命科学研究科
博士前期課程 学生募集要項 
  当ラボの研究科内での所属は「生物生産科学専攻 植物機能開発学講座」です。
  他大学を受験するというのはハードルが高いことだと思いますが、
  まずは気軽にメールで相談してください。岡山は大変過ごしやすいところです。
  もちろん見学に来て頂くのが良いのですが、今は移動が制限されていますので、
  web面接などでこちらの状況などを紹介したいと思います。
  新たな環境に移ることは労力を要しますが、その経験は必ず成長の糧と
  なりますので、前向きな挑戦を応援します。
 
  このラボで想定されるテーマ・方針・実験や生活の環境について説明しますので、
  ご自身の目標・研究の興味・将来の方向性に合うかを互いに確認しましょう。
  博士後期課程を目指す場合には、学術振興会の特別研究員の応募を念頭に研究計画
  の立案をサポートします。
 
  2022年4月入学の募集は2021年8月と12月に行われます。
  大学院のHP(上記リンク先)に募集要項が掲載されています。
  筆記試験は植物病理学の専門科目のみです(遺伝子工学も選択可)。
  過去問もありますので、こちらからコピーをお送りします。
  ※受験には英語能力試験(TOEIC等)の成績証明書が必要です。
  ただし、現在受験が難しい状況にありますので、詳細は問い合わせてください。
博士後期課程 学生募集要項
  博士後期課程からの入学ももちろん募集しています。ただし修士からの続きで
  ない場合には期間が短くなるので、入念な打ち合わせが必要ですね。
  将来のビジョンに合わせて、方向性を擦り合わせ、納得の行く形でスタート
  できるようにしましょう。もちろん研究活動には困難が付きものですので、
  柔軟に対応しながらサポートします。
  2022年4月入学については複数回行われます。
  要項は上記リンク先に順次公開されていきます。
 

更新履歴

 
2021/07/08 内容&略歴
2021/04/28 研究内容
2020/04/02 etc.
2020/02/26 発表論文など
2020/09/15 発表論文/ニュース/学生募集要項
2020/05/20 学生募集要項/メンバー
2019/11/15 ニュース
2019/10/10 ニュース
2019/09/19 学生募集要項
2019/07/30 ニュース
2019/0415 ニュース
2019/03/22 ニュース&発表論文
2019/03/07 メンバー&ニュース
2019/01/07/発表論文&ニュース
2018/11/29 発表論文
2018/11/01 ニュース
2018/10/12 ニュース
2018/07/17 発表論文
2018/06/19 発表論文
2018/06/05 発表論文&ニュース
2018/03/06 ニュース
2018/01/05 研究内容
2017/12/04 発表論文
2017/10/20 発表論文
2017/05/24 レスポンシブ化
2017/04/17 更新
2017/02/10 更新
2017/01/05 更新
2016/11/29 更新
2016/11/18 更新
2016/08/08 更新
2016/04/23 更新
2016/04/05 更新
2016/03/28 更新
2016/03/15 更新
2016/03/04 更新
2015/10/05 更新
2015/08/05 更新
2015/04/23 更新
2015/01/29 ニュース更新
2014/12/15 ニュース更新
2014/11/21 ニュース更新
2014/08/20 ニュース更新
2014/05/08 ニュース更新
2014/03/18 ニュース更新
2014/02/06 ニュース更新
2014/01/23 ニュース更新
2013/11/07 新メンバー加入
2013/08/22 少し更新
2013/07/24
「日本植物病理学会関西部会若手の会」のお知らせ
2013/05/31 居室移動 (電話変更)
2013/05/14 新メンバー加入
2013/04/25
RIKEN RESEARCH日本語版でも研究紹介
2013/04/01 異動しました
新メンバー加入
2013/01/21
岡山大学海外向けWebマガジンe-Bulletin
に研究成果が紹介されました
2013/01/10
RIKEN RESEARCHに研究成果が
紹介されました
2012/11/15
我々の論文が注目の論文として
紹介されました!
2012/11/07
人材募集を開始しました。
あなたの力が必要です!
ご応募お待ちしております。
2012/11/05
発表論文の更新。
2012/10/25
ニュース更新(研究費の採択)。
2012/10/24
研究室のホームページを新設しました。