2020-09-15 

論文発表

博士課程学生のSobhyの論文がScientific Reports誌に掲載されました。
紋枯病はイネの重要病害ですが、その克服には原因菌の感染の仕組みを知る必要があります。そこで今回は、本菌が宿主植物の免疫を抑えるために使っているエフェクターと呼ばれるタンパク質の候補を探索し、52個を同定することに成功しました。
我々は特に初期の感染行動に着目していますが、その時期は菌糸がまだ少なく、菌の遺伝子発現を調べるのが難しい状況でした。そこで、ミナトカモジグサというモデル植物を用い、感染が同調した菌糸をできるだけ多く回収できる工夫をしたのがポイントです。
そして、公開されている菌のゲノム配列から、小型の分泌タンパク質をコードする遺伝子を探索し、それらが実際に感染過程で発現しているかどうかを1つずつ調べました。
利用した公開遺伝子情報はゲノム配列からコンピュータ予測されたものでしたが、我々はそれらの多くが部分的に間違いを伴っていることを見出し、別途調べた発現情報を基に修正しました。これにより、データは価値あるものとなりました。
当初の目論見通り、感染初期に使われているものも発見できましたので、今後はそれらの役割を調べて行く予定です。
当初は簡単に進むと考えていましたが、困難の連続でかなり大変な仕事になりました。学生もよく頑張ったと思います。自分にとって初めての博士の輩出です。

 

2020-09-15 

論文発表とプレスリリース

以前私のラボで博士研究員をしていた香西博士の論文がPlant Journal誌に掲載されました。こちらで始めた仕事を理研の持田ラボで発展させた成果です。詳細はプレスリリースを御覧ください。
 
<プレスリリース>
草本植物の紋枯病に対する抵抗性の仕組みを解明-防除策の開発に役立つ分子基盤-
 

2019-11-15 

八雲賞

公益財団法人八雲環境科学振興財団の環境研究助成に昨年度採択して頂き、本年11月5日にその研究成果発表会が行われました。今年度から特別研究の採択者の中から1名を選んで贈呈する「八雲賞」が創設され、大変有り難いことに第1回八雲賞を授与して頂きました。今回のテーマである「低環境負荷型の病害防除剤である抵抗性誘導剤のシーズ開発研究」は、理研の白須ラボでポスドクとして出した成果をベースとして立案したもので、私が農学部に移ってから科研費の基盤Bに採択され、学生達と進めてきたものです。何人もの学生のリレーで推進してきましたが、科研費の期間は過ぎてしまい、その後本助成金のサポートを得て、一人の優秀な学生の多大なる貢献により完成まで至ることができました。現在は本技術の社会実装に向け、特許出願の準備中です。

昨今では大学の基盤経費が大幅に減少し、地域の研究活動を支援して頂ける企業の活動は本当に有り難く感じられます。さらに研究者や学生を鼓舞しようと財団設立20周年を期に顕彰制度まで創設して頂いたとのことで、私も今回大いに励まされました。根無し草で色々と渡り歩いてきたので学会の若手向けの賞などは無縁でしたが、地方の小さな賞とはいえ認めて頂けたことを素直に喜び、気持ちを新たにしています。

財団の代表理事でもある株式会社エイト日本技術開発の小谷社長は学位をお持ちで学術への理解が深く、研究発表会でも何度も熱心に質問されており、財団の理念の実現に対する熱意が強く感じられました。私も今回の受賞を励みとし、岡山の地から世界の発展に資する成果を出すことを目指し、学生達と共にさらに邁進して行きたいと思います。
 
 

 

2019-10-10 

ゼミ旅行

今年もゼミ旅行を企画してくれました。瀬戸内の美しい島を眺めながら楽しい一時を過ごすことができました。初心者への釣り教育デーになりました。良いか悪いかはわかりませんが、教える方も習う方も日頃にも増して熱心だったことは確かです。
 
 
 

 
 
 

 
 
 
 

 
  

2019-10-10 

感染生理談話会と篠崎一雄研究室のシンポジウム

今年の感染生理談話会は北海道十勝川温泉での開催で、学生3人と参加しました。学生はそれぞれに札幌や釧路経由で十勝入りし、旅程も楽しんでいるようでした。北海道の病害についての講演はとても勉強になりました。特にリゾクトニアを精力的に研究されてきた三澤さんとお話でき、研究の方向性を確認できたのは収穫でした。また佐藤昌直先生らのデータ解析に関するセッションも実践レベルで役に立つものでした。今回は博士や海外留学を目指そうとする複数の学生さん達と話す機会があり、とても刺激を受けました。学問を志す者として私も道半ばですが、同志として応援したいですね。最終日にはワイン栽培現場の見学ツアーがあったのですが、私はポスドク時代にお世話になった篠崎一雄先生のラボのシンポジウムに向うため一足先に十勝を後にしました。 そちらのシンポジウムでもラボ創設以来関わってきた研究者が勢揃いで、歴史とその成果を感じました。このラボで得たものは私の研究のバックボーンになっていますし、同門の繋がりは今でも研究の支えとなっています。
 
 
 

 
 
 
 
 

 

2019-07-30 

国際学会

英国グラスゴーで開催されたIS-MPMI XVIII Congressに学生と参加しました。私はサテライトミーティングで口頭発表する機会にも恵まれ、参加者から有意義なフィードバックを得ることができました。会期中は朝から晩まで最新結果が満載で、また植物微生物相互作用分野において未だ解き明かされていない今後の10大課題を挙げる企画などもあり、大変充実していました。私が関係した今回の発表は以下の通りです。
 
Yoshiteru Noutoshi
An approach to study rice sheath blight disease using Brachypodium distachyon
on Satellite meeting, New Insights into Rice-Pathogen Interactions.
 
Yoshiteru Noutoshi et al.,
Molecular suppressive mechanism of a biocontrol agent Rhizobium vitis VAR03-1 against grapevine crown gall disease
 
Sobhy Salama Hussein Abdelsalam et al.,
Characterization of expression profiles of effector genes of Rhizoctonia solani on Brachypodium distachyon
 
Yusuke Kouzai et al.,
Time-series transcriptome analysis of Brachypodium distachyon in response to the infection by Rhizoctonia solani
 
Nobuaki Ishihama et al.,
Identification and characterization of small-molecular compounds that inhibit salicylic acid-mediated signaling pathway in Arabidopsis
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

2019-04-15 

学生優秀発表賞

先に開催された日本植物病理学会大会で発表したM2の学生が学生優秀発表賞を受賞しました!就活もある中で頑張って参加したので、報われて良かったです。学会発表にあたっては、要旨の作成、データの取得、発表スライドと原稿の作成、発表練習があり、当日も数日間外出しなければならず、就職活動との両立は大変だったと思います。日頃の成果を発表したいという強い思いが身を結びました。発表を聞いてくださった先生方からは様々なフィードバックをもらえましたので、今後の論文作成に向けて弾みがつきました。
 

2019-03-22 

総説

アグリバイオ4月号に総説「植物の病害抵抗性を高める物質」を寄稿しました。「ケミカルバイオロジーの農業生産向上への応用」という浅見先生が取りまとめられた特集だったので、本来は合成化合物の話を期待されていたかもしれないのですが、それらはこれまでにも発表してきたので、今回は内生物質のこれまでの動向をまとめてみました。実に様々な物質があり、かなり理解が進んだ部分がありますね。一方、まだ未知の部分も多く残されています。今後は、それらの生物学的な役割や意義を明らかにする方向で研究が進むでしょう。内生物質の働きが理解されれば、これまでに探索された生理活性化合物やバイオスティミュラントの作用寄稿も推測でき、さらには新たな有用物質の設計や合成にもつながることでしょう。